統計学のp値のデメリット

統計学におけるp値は研究の結果が偶然によるものではないことを示すために頻繁に使用されます。しかしながら、p値が持ついくつかのデメリットによって、その解釈において誤解や誤用が生じることがあります。

まず、p値はあくまでデータが偶然によるものである確率を表す指標に過ぎません。つまり、低いp値が統計的に有意であるとしても、それが実質的に重要であるとは限らないのです。研究の効果量が小さい場合、p値が小さくともその発見の実践的な意味はほとんどないかもしれません。

次に、p値はしばしば誤って「その結果が正しい確率」と解釈されることがありますが、これは完全に誤りです。p値が低いからと言っても、研究の仮説が確実に正しいわけではないのです。また、p値はある条件の下でのデータセットにおける結果のみを評価するため、他の条件や異なるデータセットでは成り立たない場合があります。

さらに、p値はしばしば「統計的な有意性」の基準として使われますが、これは人為的な閾値(例えばp < 0.05)に基づいています。このような一律の基準は研究によっては妥当でない場合もあるため、研究の文脈によってはより柔軟な基準を設けるべきです。 また、研究者の間で「pハッキング」と呼ばれる慣行も問題を引き起こします。これは、結果を操作して偽の有意性を作り出そうとする行為で、多くの実験を繰り返して低いp値を得たり、データを選択的に報告したりすることで発生します。これにより、科学的研究の信頼性が低下する可能性があります。 以上のように、p値は統計学的証明の重要な部分であるものの、その解釈には慎重さが求められます。研究結果の意味を理解するには、p値以外の情報(効果量、信頼区間、事前の研究との一貫性など)も総合的に評価することが重要です。

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