過去20年という大きな時間の枠を想像すると、それだけで気が遠くなるかもしれません。しかし、この時間を振り返ると、気候変動対策の面で多くの変遷を目撃することができます。この20年が、人類が環境に与える影響に一層敏感になった一時期であることは、疑いようがありません。
21世紀初頭といえば、まだ「地球温暖化」が新たなトレンドとして世間に認識され始めた頃です。各国の環境政策は、2001年に採択された京都議定書により形を変え、先進国に排出削減の義務がかけられました。これが気候変動対策の大きな始まりの一つでした。
しかし、この時点では対策は断片的で、十分とは言い難く、温暖化の影響はひたすら増加の一途を辿っていました。そして2015年、パリ協定が成立。全世界が地球温暖化を「2度未満」に抑えることを約束しました。今や、この「2度目標」は気候変動対策を語る上でのキーワードとなっています。
それからの数年は、再生可能エネルギーの普及加速や、持続可能な生活様式へのシフトが目覚ましく起こりました。太陽光発電や風力発電のコストは劇的に下がり、電気自動車は自動車市場における主流の選択肢となりつつあります。
また、個人レベルでは、地球に優しい食生活や、ゼロウェイストへの関心が高まりました。スーパーマーケットでのプラスチック削減や、食品廃棄の削済など、日常生活に根ざした取り組みが推し進められるようになります。
これらの変化は、市民一人ひとりの意識の変化が大きな力となっています。特に若い世代が、環境問題において積極的な態度を示し、気候行動を推進するようになりました。Greta Thunbergの登場は、世界中の若者たちが気候変動に対して声を上げるきっかけともなりました。
過去20年に渡る気候変動対策を振り返ると、決して十分とは言えないのが現実です。しかし、この期間に生じた変化は、これからの地球の未来を左右するものだと言えるでしょう。これからも各個人、企業、国々が協力し、地球温暖化の進行を食い止めるために取り組んでいかねばなりません。過去20年の経験は、未来への教訓となることは間違いありません。